2月9日(月)

午前中から午後にかけては佐藤くんとまた長く話して、これからの仕事の進め方みたいなことをああだこうだと検討して、カオスな、曖昧な状態のまま進むみたいなこともやりながらやろう、みたいな曖昧な話をして、曖昧だが、でも僕もなんでもくっきり決めたうえでできるわけではないから、カオス宣言は必要なことだと思った。ワークするかどうか、少し様子を見てみよう。こういう「様子を見てみよう」みたいなことをヨーロッパのサッカーを見ていると監督も選手もインタビューとかで言うような気がする。日本のスポーツではあまり見かけない言い回しだ。

いくつか仕事を進め、それから先週分の日記の作業。日曜日の分を書いて、引用箇所を入れて、推敲し、ということをやって、6時15分になって遊ちゃんが部屋に来たので、あと10分、とお願いし、終わりまでやり、月曜日に日記が済むとずいぶん清々しい、水曜日でも清々しいのに月曜日はかなり清々しい、木曜日になることもあるし、先週は金曜日まで持ち越してしまった。今週は水曜日が祝日で長いシフトだし木曜日もシフトがあるし金曜は実家に帰るから、早めにしたかったが、それが今日済んでずいぶんうれしい。 明るい張り切った気持ちで部屋を出て、あたたかい格好になり、遊ちゃんと家を出る。今日はふたりの新年会ということにして2月3日が旧正月とかだそうで、だから新年会ということなのだそうだ。外はぱきっとした寒さで、気持ちがよかった。まったく初めて歩く道を新鮮な思いで見ながら歩いて、けっこう歩いた、韓国料理屋さんに行ってはんめんちというお店だった。 入ると大きめのモニターでK-POPが流れていて、座敷の奥の席についてビールを頼んだ、僕たちの他はまだひと組だけで、メニューを見るとはんめんちというのはおばあちゃんみたいな意味だそうで、おばあちゃんが3人でやっている店だ、というようなことが書かれていた。ビールをぐっと飲んで、チャプチェとか、あとは名前のわからないものを頼んで、辛いサキイカのやつを食べたら暑くなる感じがあり、辛さを示す唐辛子マークはひとつのメニューで、ひとつの辛さでこの辛さかと思う、僕は辛いものが苦手というか、辛いものを食べるとシャワーを浴びたように頭皮から汗をかくわけだが、だから帽子を脱いだ。なんとかかんとかという、一時期原宿とかでも人気だったんじゃないかと遊ちゃんが言う、鶏肉の、揚げた、赤い、辛さ1の、ケチャップが関わっている、それを食べておいしく、喜んで食べた。わあわあと僕たちはのべつ幕なしにしゃべっていて、途中でこれはなんかかっこいいな、という音楽が聞こえて見ると、それはどうやらHearts2Heartsというグループということだった。新しいお客さんがやってきて、お店の人が、肉をハサミで切っていた。僕もあれを食べたい、という気持ちにもなったが、存外にお腹がいっぱいになって、遊ちゃんもそうだった。 会計をすると飴をもらって帰り、まだ時間も早かった、スーパーでビールを買って帰宅し、リビングでもうしばらくあれこれ話していた、そういえば、と思って遊ちゃんに、遊ちゃんは襲(かさね)の色目って知っているかと聞いて、先日岸本さんから教わった言葉で、僕はまったく知らなかったので調べて、昔の着物は生地が薄いので何枚も重ねる、そうすると色と色が別の色を生む、それをコーディネートして季節の情景とかを表現する、というものだそうで、それは素敵な文化だと僕は感激した、なぜ遊ちゃんにこの話をしたのかは思い出せない、遊ちゃんはソファでうとうとし始めていた、しかしなぜ襲うの字なのだろうか。襲う、踏襲する、襲の色目。襲とはつまりレイヤーが重なるみたいな意味だったりするのだろうか、襲うということも人と人が重なるようなイメージで考えたらしっくり来る、その話をすると遊ちゃんは半分眠りながらもびっくりしたようだ、ソファの上で丸くなっていた。 先にシャワーを浴びて、上がり、上がったよと伝え、遊ちゃんも風呂に行き、僕は布団に行き、まだ10時とかだった。本を数ページ読むと眠っていた。

なんらかの振動を感じて、うとうとしながら床を覗くと着信で、佐々木とあって、佐々木さんだった、どうしたどうしたと思って、時間は11時40分だった、外に出て電話を取り、聞いたらすぐに解決できる問題だったので安堵し、よかったよかったと思いながら布団に戻り、それからフォークナーを再度開いて、また斜体になったが、同じ時間にいるように見えて、昨日思ったのは間違いで、別に別の時間が流れているわけではないのかもしれない、ダールが、おかしなねじれた立ち位置で語っているように見える。

2月10日(火) ↓