3月15日(日)

また長く寝た。起きて歯を磨くと家を出て鍼灸院に行き、少し通うリズムができてきた感じ。地産市場的なところで太い長ネギとブロッコリーとかを買いスーパーで鶏肉とかを買い帰宅。お粥を炊いた。卵粥にした。

昨日から聴いているBill Orcuttの『Solo Acoustic, Vol. 10』を聴きながら、まず些事を、それから今週すべきタスクを丁寧に潰していき、これが済んだらClaude Codeを試してみるんだと考えると張り切る気持ちになり、がんばれた。 がんばると、バイクを漕いだ。アーセナルとエヴァートンの試合を見ながら漕いで、アーセナルは僕は本当に見ないチームだが、アーセナルの面白さもきっとあるはずだと思って、ぼんやりと見て、風呂に入って、また見て、やはりあまりウキウキすることはなく、上がるとClaude Codeを始めることにしてウキウキした。ただ僕はClaude Codeに何を期待しているのかわからない、ぼんやりとはわかる、秘書に、作業員に、戦略立案部隊になってほしい、みたいなことだろう、ただそんなことがどうしたら可能なのかうまく想像できていない、とりあえず使ってみないとわからない、なので始めて、クロちゃんに言われるままにターミナルでいくつかコマンドを打っていくと立ち上がり、黒い、ターミナルの、コマンドラインの、インターフェースで、応答までの考え中の文字が、zigzaggingとかdrizzlingとかcanoodlingとかで、2つめのはしとしと雨が降るみたいな意味のようで3つめのはいちゃつくみたいな意味のようで、だからきっとこれは遊び心のようで、よかった。 それでやり取りが始まると、試しにスプレッドシートと連携させてファイルをひとつ読ませ、定期的にモニタリングするためのシートをつくってグラフ化とかしてみてくださいとお願いした。途中途中で進めていいか確認されて、いくつかイエスを押していく、読むよ、つくるよ、装飾するよ、みたいな感じで、権限を与えていくと、出来上がって、なるほどと思った。今回新規リピートのやつでたくさんスクリプトをつくっていったが、Claude Codeなら直接つくれたということか。 それが済むと胸がすっと冷えるというか虚しくなる感じがあり、遊ちゃんが寝るというので寝室に行き、Claude Codeに何をしてもらったらいいかわからない、それに、なんだか、ターミナルか、みたいな気持ちなのか、僕は、ここが僕の仕事のベースキャンプなんだ、みたいな、そういう場所ができるようなイメージでいたのかもしれなくて、そういうウキウキする感じがなくて、肩透かしを食らっているのかもしれない、という話を聞かせているとうとうとしてきたようなので離れた。寝る前にいったいなんの話を聞かせられているんだ、という話をすると、遊ちゃんはたちまち眠くなることが実証されている。

なんとなくつまらない気持ちのまま、クリスタル・パレスとリーズの試合を見ながら夕飯の準備を始めて今日はオーブン焼き。焼いているあいだは部屋に戻って薄ぼんやりと働き、送られてきた初台の伝票が今日は惨憺たる日曜日だったことを伝え、不安になり、新しい料金の仕組みは実は客離れを起こしているのか、と短絡して不安になり、時間になって戻るとご飯で、鶏肉、キャベツ、玉ねぎ、人参、長ネギ、ブロッコリー、小松菜。 食事終了間際、リーズのグドムンドソンが2枚目のイエローカードで、この数分いろいろごちゃついていたので審判も動転していたのかもしれない、イエローを出しながらもそれが2枚目だと気付かず、パレスの選手たちに2枚目だろとアピールされて、少し間を置いてから、レッドカードを出して、たぶん、すでに1枚出ている認識があったらカードを出さないようなファールだったから、グドムンドソンは気の毒ではあって、しかし、レッドカードが出ると、パレスのカンボが、ゴールのときですらこんなに喜ばないのでは、という喜び方をして、がっちり腰を落として両腕を力強く何度も引く、波動拳とかが出そうなガッツポーズを繰り返して、とてもいい場面だった。カンボはCANVOTで、CANNOTという感じがする。それで食事と前半が終わったが、この試合がどうなるのか、がぜん興味が出たのでリビングでダラダラしながら後半も見て、結局スコアレスで、パレスは数的優位をまったく活かせずに、まるで攻撃の糸口を見つけられず、つまらないパスミスを何度もして、次第にセルハースト・パークの観客たちからも失望のため息や不満の声が出てくるようになり、そのまま、何もできないまま試合は終わって、こんなに面白くない試合は久しぶりで、この滑りっぷりが面白い、そういう試合になって満足した。

そして念のため下巻も持って布団に行くと『アブサロム、アブサロム!』で、長い斜体のローザの語りを抜けてからはまた面白くなってきていて、この時間が楽しみだった、シュリーヴの暴走が止まらない。

「そうだ」とクェンティンはいった。 「そして、ラスターが話していたのは、その時の子供のことだった」とシュリーヴはいった。「そして君のおとうさんはまた君の方を見ており、それというのも君はその名前をまだ聞いたことがなく、その日君たちが菜園で彼を見た時、その子に名前があるとさえ考えなかったからだ。そこで君は、『だれだって? ジムだって』というと、ラスターが、『あいつですだよ。あのばあさんと一緒にいた、光ったコーヒー色の子供ですだよ』といい、すると君のおとうさんがまだ君を見ているので、君は、『どういう綴りだい』というと、ラスターが、『そいつは法律家のいうこったね。法律にとっつかまったら、そういうことを聞かれるだ。だけんど、おらは耳でおぼえた言葉をその通りいうだけだな』といった。そこでそれがあの時の少年で、名前はボンドだとわかったが、その少年にとっては名前なんかどうでもよかっただろう。だって彼は母親から受けついだものだけでできており、父親から受けついだものは決して現われそうもなかったのだから。そしてもし君のおとうさんが彼に、お前はチャールズ・ボンの息子かと聞いても、そうかどうか知らなかったばかりか、気にかけもしなかったろう。またもし君が彼に、お前はそうなんだ、といったとしても、そんな言葉は(彼ではなくて)君が彼の心と呼ばざるをえないものに一瞬触れるとしてもたちまち消えて行き、どんな反応も、誇りも喜びも、怒りも悲しみも、なに一つ惹き起こすことはできなかったろう。そうだろうが?」 「そうだ」とクェンティンはいった。 ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!(上)』(高橋正雄訳、講談社)p.334,335

そうだろうが? いやー、すごい。すごい、すごい、と思っていると上巻が終わって、下巻になるとクェンティンの下宿にまだいて、シュリーヴは上裸で椅子に座っていることが知れた。それからサトペンについてクェンティンが語り始めて、とうとうサトペンの話になるようだった。これまでも読みながら、サトペンがしきりに悪魔呼ばわりされていたが、そういえばサトペンが働いた悪行ってなんだったのか、と思っていたが、ここから、それが語られるのだろう、そしてもしかしたら、今度は物語は語り手としてクェンティンを選んだのだろうか、クェンティンをすっぽりと飲み込んで、彼の口から物語を吐き出させようとしているのだろうか。 「そうだ」とクェンティンはいった。

3月16日(月) ↓